スピン分解・角度分解光電子分光法による電子状態の直接観測
当研究室では、光電子分光と呼ばれる実験手法を用いて物質の電子状態(バンド構造)を直接観測することにより、超薄膜中に形成される量子化状態、グラフェンに代表される単原子シート、そしてトポロジカル絶縁体などの新奇な物質の興味深い性質を明らかにしています。近年、光電子分光の技術の進歩はめざましく、スピンの情報を分解した測定や、meVオーダーを切る超高分解能の測定も可能になっています。物質の電子状態(バンド構造)が分かれば、原理的には全ての情報を取り出すことができますので、光電子分光法は現代の凝縮系物理および物質科学において最も重要な実験手法の1つです。以下にその原理と研究例を紹介します。